宮島は古来、神の島と言われてきた。 このことを物語る神事の一つに、知る人ぞ知る、御烏食式(おとぐいしき)がある。 この式は、1400年前の推古天皇の時代、姫神が現れ鎮座の宮地を求めて、烏の先導により周遊された故事にちなんだ行事である。当時の神事を再現する御島巡りは、島の浦々の末社を巡拝するもので、養父岬神社の沖でとりおこなわれる御烏食式は、海上に御幣を立てた小さな筏にお供えの団子を浮かべ、小舟に乗った神職が笛の音を奏すると、弥山より雌雄2羽の神烏(おがらす)が現れ、口にくわえて養父岬神社へ運ぶ。厳島神社の崇敬者は大型の船に乗船し、この神事を見守る。余談になるが、小生も30年前、知人と一度だけ参列させていただいたが、真に神秘的な行事である。 なお、神烏は毎年2羽の子を育て、親子4羽が宮島の対岸にある大頭神社の祭礼に弥山より現れる。子烏は次の年の御烏食式のため弥山に帰り、親鳥はカラスの本山とも言うべき熊野に向かって飛んで行くと伝えられる。 これら一連の神事が数百年前より、今日まで脈々として継承されていることは驚きである。
詞/曲・歌:二神種昭 歌:河野由美子 編曲:SHU
1. 霊峰の 緑の弥山 仰ぎ見て 朱塗りの鳥居 海に立ち 清らかに 斎祭る 姫神を ここは宮島 神の島
2. 桧皮葺 朱の社に 雅の回廊 満ちくる潮に 照り映えて 竜宮と 見まがうほどに 麗しき ここは宮島 夢の島
3. 神聖な 弥山の眺め パノラマに 今も燃え継ぐ 灯し火は 空海の 平和の願い 消えずの火 ここは宮島 祈りの島
※曲は1985年より作り始め、2013年5月に完成、2014年11月に録音
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